道場着。とりあえず最初の取引はワゴンのガイドから

「着いたよ」
 むかし訪れた時は三十分辺り歩いたが、自動車だと短時間だった。身は今一度N・Mに礼を言うと自動車を降りた。
「まだまだそこまでやらなくてもいいよ」
おっしゃるよりも素早く、身は後方から車庫書き入れのためにワゴンを誘導した。
「はからずも、ガソリンスタンドの店員みたいだな」
何も指示されていなくてもこれぐらいやらなくては部分が思いやられる。大に促されるとおり勝手口から道場へ入るや否や、私の頭に蜘蛛の巣が引っ掛かった。
「うわ!」
 身は取り乱した。今日は差し掛るところから洗礼が後を絶たない。
「おー、A・I、来たか」
 裏から聞き覚えの起こる動画だが見ず知らずのボウズ頭が顔を覗かせている。
「僕だよ。おーれ」
思い切り目を凝らしてみるとN・Hだった。何があったのかは定かではないが頭部を素肌ヘッドに刈り上げて掛かる。
「Hくん。お久し振りだ」
 頭に絡みついた蜘蛛の糸を振りほどきながら、身は平静を装った。
そんな私の風貌がコミカルにみえたのか、N・Hは屈託のない顔つきで朗らかに笑っていた。鼻下脱毛